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講義内容詳細

石川秀樹先生 速習!ミクロ経済学 講義内容詳細

Part1 経済学の勉強方法と全体像―経済学がわかるコツ―(全4回)

「ミクロ」とは,英語ではMICROと書き,マイクロとも呼びます。「細かいとか,小さい」という意味です。小さいフィルムをマイクロフィルムと呼び,小さいバスをマイクロバスと呼ぶときの「マイクロ」です。ミクロ経済学とは,細かいことを分析する経済学で,個々の企業や家計の行動や,ある財・サービスの市場を分析します。これに対し,マクロ経済学は大きなことを分析する経済学で、具体的には国全体の経済を分析します。ミクロ経済学が,自動車とかリンゴといった特定の財の需要量・供給量と価格の関係やある企業の生産行動やある家計の消費行動などを分析います。具体的には、「消費者はどのように消費量を決めるのか」「一日何時間働くのか」「企業は生産量を何個にすべきなのか」などを考えます。
ただし、ミクロ経済学は経済学という学問の一分野であり、経済学特有の考え方(思考パターン)や説明方法がありますから、その方法に慣れることなくしては、理解することはできません。
何事にも効率的に学ぶコツというものがあり、経済学特有の考え方(思考パターン)や説明方法こそが「経済学の効率的に学ぶコツ」なのです。第1部では、この「コツ」を伝授します。

第1回 経済学の思考パターン(*速習!マクロ経済学第1回と同じ内容です) 
第2回 グラフの読み方 (*速習!マクロ経済学第2回と同じ内容です) 
第3回 ミクロ経済学の全体像
第4回 微分の公式と活用


Part2 家計の行動―どれだけ働き、何を買うのか?―(全9回)

この部では、労働供給することによって所得を得、その所得を使って財を消費する家計の行動を分析します。具体的には、「消費者はどのように消費量を決めるのか」「一日何時間働くのか」などを考えます。
そうはいっても、現実経済のままでは複雑すぎてよくわからないので、仮定をおいて、単純化した理論モデルを創り、そのモデルを分析します。第1部で学んだように、仮定をおいて単純化すると分析しやすくなりますが、現実離れしてしまうおそれがあります。この点に注意を払いながら、勉強するようにしてください。

第5回 限界効用理論 
第6回 無差別曲線 
第7回 予算制約線、最適消費点 
第8回 上級財・中立財・下級財
第9回 需要曲線
第10回 さまざまな無差別曲線
第11回 労働供給量の決定
第12回 貯蓄量の決定
第13回 顕示選好理論


Part3 完全競争企業の行動―どれだけ雇い、どれだけ生産すれば良いのだろうか?―(全5回)

この部では、労働や機械などの資本を需要し財を生産する企業の行動を分析します。具体的には、「財を何個生産すればよいのか」「労働者を何人雇えばよいのか」などを考えます。ミクロ経済学の全体像という視点から考えると、前の第2部では家計の消費行動から需要曲線を導きましたが、この第3部では企業の生産行動から供給曲線を導きます。
そうはいっても、現実経済のままでは複雑すぎてよくわからないので、仮定をおいて、単純化した理論モデルを創り、そのモデルを分析します。第1部で学んだように、仮定をおいて単純化すると分析しやすくなりますが、現実離れしてしまうおそれがあります。この点に注意を払いながら、勉強するようにしてください。

第14回 利潤と収入 
第15回 費用 
第16回 供給曲線 
第17回 完全競争市場の長期均衡 
第18回 生産要素市場の需要


Part4 完全競争市場均衡 ―価格の乱高下はなぜ起こる?―(全1回)

需要と供給の一致する状態を市場均衡と呼びますが,経済がいったん市場均衡からはずれたときに,市場均衡に落ちついていく性質を持っているのか,それとも,市場均衡に落ちつかず,どんどん変化していき,不安定になっていくのかという安定性の問題について考えます。
 そして、市場均衡から変化しているプロセスを調整過程と呼び、ワルラス的調整、マーシャル的調整、蜘蛛の巣調整という3つの調整過程の違いが問われますから、しっかりと理解しましょう。

第19回 調整過程 


Part5 不完全競争市場 ―価格を左右できる企業の行動―(全4回)

完全競争市場であれば、市場の需要と供給によって価格が決まり、企業は市場価格を受け入れるだけの存在(プライス・テーカー)です。しかし、現実の市場は完全競争市場とは限らず、供給者が1社である独占市場や少数である寡占市場では、企業が市場価格に影響を与えることができます。この部では、市場価格を受け入れる存在であるプライステーカーではなく、価格に影響を与えることができる(プライスメーカーといいます)企業の行動について考えます。

第20回 独占
第21回 独占的競争
第22回 寡占
第23回 ゲーム理論


Part6 効率と公平―望ましい経済とは?―(全4回)

第5部までは,現実の経済の仕組みを分析しました(実証経済学)。第6部では,「経済がどうあるべきか」という観点から「望ましい経済とは何か」について考えます(規範経済学)。「望ましさ」の基準として公平性と効率性について考え,ミクロ経済学では効率性を中心に分析する理由を説明します。そして,効率性を測定する分析方法として「余剰分析」を学び,余剰分析を活用し,完全競争市場と独占市場とを分析します。

第24回 効率性と公平性
第25回 ローレンツ曲線とジニ係数
第26回 余剰分析
第27回 パレート最適


Part7 市場の失敗―市場にまかせてもうまくかないこともある―(全5回)

当初完全競争市場であっても、市場にまかせていては最適資源配分が実現できないケースとして、費用逓減産業、公共財、外部効果を学びます。また、完全競争市場の条件である「取引に必要な情報は完全」がかけた情報不完全な市場についても学びます。

第28回 費用逓減産業
第29回 外部効果
第30回 公共財
第31回 情報の非対称性
第32回 期待効用仮説


Part8 貿易の理論―自由貿易は世界を幸せにするか?―(全2回)

さあ、いよいよ最後です!この第8部では、貿易が輸出国だけではなく輸入国にも利益をもたらすことを学びます。また、輸出する財と輸入する財がどのような要因で決まるのかを考えます。そして,最後に,自由貿易に制限を加える保護貿易の考え方を学び、効率性の観点から評価します。
 TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋経済協力協定)への参加問題が大きな課題として浮上し、貿易の問題が大きく取り上げられるようになってきました。このような時期には、出題可能性は高まりますので、今まで以上に注意しましょう。
特に、自由貿易の利益と関税の経済効果に関する余剰分析,比較生産費説,ヘクシャー=オーリンの定理をしっかりマスターしましょう。

第33回 自由貿易
第34回 保護貿易